不動産が早く売れる「任せ方」と「見せ方」

はじめに:不動産がなかなか売れないのは「業者選び」と「売り方」が原因かもしれません

不動産売却を考えるとき、「高く売りたい」「できるだけ早く売りたい」と願うのは当然のことです。
しかし実際には、「いつまでも売れない」「問い合わせすら来ない」という声も少なくありません。

その原因の多くは、媒介契約の選び方販売方法の設計ミスにあります。

今回は、失敗しないための媒介契約と販売戦略の基本についてお伝えします。

 

 

媒介契約の違いが“売れ方”を左右する

不動産を売却する際は、不動産会社と「媒介契約」を結びます。代表的な契約には以下の3つがあります。

 

・一般媒介契約:複数の会社に同時に依頼できる

・専任媒介契約:1社のみに依頼、自己発見取引(売主自身が取引相手を探すこと)も可能

・専属専任媒介契約:1社のみに依頼、自己発見取引は不可

 

一見すると、自由度の高い「一般媒介」が有利に思えるかもしれません。
しかし、実際には複数の会社に依頼することで、各社の“本気度”が下がるケースが多発しています。

なぜなら、販売活動にかかる広告費・人件費はすべて“成功報酬”です。
「自社で売れるかどうか分からない物件」には、不動産会社も積極的に予算をかけづらく、結果的に宣伝も弱くなる傾向があります。

一方で、専任媒介であれば「販売が決まれば確実に手数料が入る」ため、販売活動も本格的になります。

高額な資産を託すなら、信頼できる1社に絞って、密に連携を取る方が結果的に成功しやすいのです。

 

 

写真・キャッチコピーで反響は大きく変わる

いまの不動産購入者の多くは、インターネットで物件を探しています。
そのため、「スーモ」や「ホームズ」などのポータルサイトに掲載される写真や紹介文の質が反響数を左右する要素となっています。

以下は写真掲載時に特に気をつけたいポイントです。

・室内写真は「明るく・広く・整った」状態で撮影

・外観だけでなく、LDK・水まわり・バルコニーなども掲載

・雨天や暗い時間帯の写真は極力避ける

・「片付け」や「家具の配置」で印象を良くする工夫を

 

また、物件紹介文(キャッチコピー)も重要です。
ただの間取りや築年数の説明だけでなく、「この家で暮らすイメージが湧くか」という視点が問われます。

 

 

売主も“任せきり”にしない姿勢が大切

不動産会社に任せているからといって、すべてを委ねてしまうのは危険です。

例えば、専任媒介契約では、一定の頻度で状況報告(反響数・内見件数など)を受けることができます。
反響が少ない場合は、「価格設定が市場より高すぎる」「写真の見せ方が悪い」「他社が囲い込みをしている」など、何らかの改善余地がある可能性があります。

販売状況を可視化し、定期的に見直すことで売却チャンスを逃さないことが大切です。

 

 

売れない場合の“リセット戦略”

 

長期間売れないまま掲載し続けると、「売れ残り物件」という印象を与えてしまいます。
その場合は、一旦掲載を停止し、

・媒介契約を見直す

・価格設定を適正水準に修正する

・写真や紹介文を刷新する

といった“販売の再設計”が有効です。

また、「煽り査定」(相場より高い金額を提示して契約を取ろうとする手法)をする業者には特に注意が必要です。
相場より大幅に高く出した物件は、かえって問い合わせが来ず、売れ残ってしまうケースが少なくありません。

 

 

まとめ:売却成功の鍵は、「任せ方」と「見せ方」にある

不動産の売却は、「高く・早く・安全に」行いたいもの。
しかしそのためには、最初の業者選びと販売戦略の設計がすべての土台となります。

・複数社に任せるより、信頼できる1社に専任で任せる

写真紹介文にも気を配る

売主自身も定期的に状況を把握し、柔軟に改善していく

このような姿勢が、不動産売却の成功を左右します。
“売れない”と感じたときこそ、一度立ち止まって、見直してみてください。