
家を買うとき、何を基準に考えますか?
- 間取り
- 広さ
- 家の形
など、多くの人はどうしても“家そのもの”に意識が向きがちです。
しかし、老後のための住み替えとなる、50代・60代の方にとって本当に大事な視点は別にあります。
それは、“土地(エリア)選び”です。
今あなたが住んでいる地域は、おそらく子育て・通勤・学区など、若い時期の事情を前提に選んだ場所ではないでしょうか。
しかし、20年・30年後の老後に必要な条件はまったく違います。
歳を重ねると、
- 体力の衰え
- 移動手段の変化
- 通院頻度の増加
- 防犯意識
- 日中の過ごし方
こうした生活のリアルが、居住エリアの“向き・不向き”にそのまま直結します。
ところが現実には、老後に向けて土地選びを真剣に考える人は多くありません。
「この家をリフォームすればなんとかなる」
「とりあえず住み慣れた場所だから安心」
こうした“慣れ”によって判断を誤るケースが非常に多いのです。
そこで今回のコラムでは、
住み替えで“老後に後悔する立地ランキングトップ10” を、理由と共に分かりやすく解説していきます。
まずは第10位から見ていきましょう。
第10位:外に出たくなくなる立地

外出が面倒になる立地は、高齢になればなるほど生活の質を下げます。
具体的には、
- 駅が遠い
- バスが少ない
- 坂道・階段が多い
- 高低差があるエリア
- 冬、雪が多い地域(一歩外に出るだけで大変)
若い頃は「運動になるし大丈夫」と思えても、70代になると坂道は“運動のための負荷”ではなく“障害”になります。
外出頻度が減ると、
- 筋力低下
- 買い物が困難
- 近所づきあいが減る
- 孤立
こうした問題が一気に加速します。
そのため“外に出るのがしんどい立地”は、老後の生活の質を下げてしまいます。
第9位:周りがうるさい立地

若い頃は気にならない騒音も、年齢を重ねるとストレスになります。
具体的には、
- 大通り沿い
- 交通量が多い道路
- コンビニ・飲食店が近い
- 深夜も車が通る
- 公園の近く(子どもの声が響く)
公園に関しては、人によって感じ方が大きく分かれます。
「子どもの声が聞こえると元気をもらえる」という人もいれば、
「一日中声が響いて落ち着かない」とストレスを感じる人もいます。
年齢を重ねるほど音に敏感になり、
日常的な騒音が“休まる場所のはずの自宅”を不快な空間に変えてしまうこともあるため、注意が必要です。
第8位:孤立しやすい立地

一見静かで落ち着いた場所に見えても、“誰ともつながれない土地” は老後の大きなリスクになります。
たとえば、
- 周りに家が少ない
- 近くに知り合いが一人もいない
- 新興住宅地でコミュニティが薄い
- 高齢になると移動が難しい立地
若い頃は仕事・趣味で外とつながれますが、高齢になると「家の周りの人間関係」が生活の中心になります。
孤立すると、
- 体調悪化に気づく人がいない
- ちょっとしたトラブルで困る
- いざという時に助けが得られない
こうした問題が見えてきます。
老後は“便利な場所”も大切ですが、“人とのつながり”も重要になります。
第7位:日当たりの悪い立地

日が当たらない家は、想像以上に生活の質を下げます。
- 冬は底冷えする
- カビが発生しやすい
- 洗濯物が乾かない
- 日照不足で気持ちが落ち込む
高齢になると「家にいる時間」が圧倒的に増えます。
その家が“暗くて寒い”と、
メンタルの落ち込み・健康悪化・活動量の低下が一気に起こります。
逆に、日当たりが良く暖かいと活動的になり、結果、健康に繋がります。
第6位:スーパーや病院が遠い立地

あなたは、“免許返納後の生活”を想像していますか?
- スーパーまで徒歩20分
- 病院が1つしかない
- バスが1時間に1本
- 坂道がある
- タクシーが捕まらない
こうした土地では、免許を返納した瞬間に生活が成り立たなくなります。
特に重要なのが、
- 複数の病院までの距離
- バスの本数
- 歩道の安全性
高齢になると病院の頻度は増えますし、買い物の頻度は減らせません。
買い物難民・医療難民になる土地は、老後の生活を大きく不安定にします。
第5位:治安に問題がありそうな立地

若い頃は家にいる時間が短く、気にならない“ちょっとした治安の悪さ”も、高齢になった途端に大きなストレスと不安の原因になります。
- 夜中の騒音
- マナーの悪い住民
- ゴミ出しのトラブル
- 路上飲みが多い
- 暴走族
- 若者が集まる場所が近い
たとえば、自転車のマナーが悪い土地の場合、
若い頃なら気にならないかもしれませんが、高齢になると状況は一変します。
とっさに避けられない、反応が遅れる――。
そうした“小さな危険”が、生活そのものを脅かすレベルに変わっていきます。
第4位:夜が暗い立地

街灯が少なく暗い道は、若い頃よりも高齢になってからのほうが、圧倒的に危険度が増します。
年齢を重ねると、
- 視力が落ちる
- 段差や陰影を認識しにくくなる
- 反応速度が遅くなる
といった変化が起きます。
その結果、ほんの小さな段差でもつまずきやすくなり、
転倒 → 骨折 → 入院 → 筋力低下 → 介護リスク増
という“負の連鎖”につながりやすいのです。
夜に外出する機会は減るかもしれませんが、犬の散歩やゴミ出しなど、暗い時間帯に短時間外に出る場面は誰にでもあります。
だからこそ、暗い土地は「年齢とともに危険が増幅する条件」として、特に注意すべきポイントです。
第3位:家の前の環境が悪い立地(工場・準工業地域など)

交通量の多い道路に加えて、準工業地域や工場の近くも要注意です。
これらの土地は、内見では静かでも、実際に生活すると騒音が発生する典型的なエリアです。
たとえば、
- 夜間にトラックが頻繁に出入りする
- 工場が昼間に休んでいるだけで普段は稼働音が大きい
- 曜日や時間帯によって騒音レベルが変わる
- 建物の裏側で想像以上の作業音が出ている
といったケースが少なくありません。
さらに、近隣商業地域では夜の店舗の音が響くこともあり、トラックの振動が家に伝わることもあります。
こうした環境は その時間帯に住んでみないと分からない“落とし穴” です。
だからこそ、静かさだけで判断せず、昼・夜・平日・週末など、複数の時間帯で周辺環境を確認することが大切です。
第2位:空き家が増えている立地

その地域で空き家が目立っていたら、“未来が下り坂に向かっているサイン” と考えてください。
空き家が増えると、
- 景観が一気に悪化する
- 草木が伸び放題になる
- ゴミが捨てられやすくなる
- 不審者が入り込みやすくなる
- 治安が悪くなる
- 地価が下がり続ける
といった問題が次々に起こります。
1軒だけならまだしも、数軒〜数十軒と増えるにつれて、地域全体が確実に荒れていきます。
そして、
価値が下がる → 住む人が減る → さらに空き家が増える
という負のループに入り、コミュニティが崩壊し、孤立しやすい環境になってしまいます。
第1位:災害が起こりやすい立地

災害リスクの高い土地は、老後の生活において“命に関わる”重大ポイントです。
特に、
- 豪雨
- 洪水
- 土砂災害
- 津波
- 液状化
- 大規模地震の揺れやすさ
こうしたリスクは、
高齢になると避難が遅れるため、若い時より危険性が高まります。
高齢になると、
- 歩くスピードが落ちる
- 判断が遅くなる
- 荷物を持って逃げられない
- 階段がきつい
避難しにくくなる要素が一気に増えます。
ハザードマップを必ず確認し、避けられるリスクは最初から避けるべきです。
災害リスクが高い土地は、老後の生活・将来の売却価値などすべてに影響します。
まとめ
ここまで、
“老後に後悔する立地ランキングトップ10”を解説してきました。
ただ、10個すべてを避けた完璧な立地はなかなかありません。
そのため、完璧を求めるのではなく妥協点を見つけて選ぶことが大事です。
「自分の優先順位はなんなのか」
「自分のライフスタイルに合っているのか」
50代60代のうちに、満足した生活が送れるよう10~20年先まで見据えて選ぶことが大切です。
◆ ランキング一覧
1位:災害が起こりやすい立地
2位:空き家が増えている立地
3位:家の前の環境が悪い立地(工場・準工業)
4位:夜が暗い立地
5位:治安に問題がありそうな立地
6位:スーパーや病院が遠い立地
7位:日当たりの悪い立地
8位:孤立しやすい立地
9位:周りがうるさい立地
10位:外に出たくなくなる立地
