
不動産を売却する時や、新しい住まいを探す時に、必ずと言っていいほど関わるのが「不動産会社」です。
多くの会社は誠実に対応していますが、中には「契約を取ることだけ」を目的にした悪徳不動産会社も存在します。
・言葉巧みに高額査定を提示する
・良いことしか言わず、リスクは隠す
・契約後は放置して責任を逃れる
こうしたトラブルは後を絶たず、被害にあった方からは「もっと早く知っていれば…」という声も少なくありません。
今回は、悪徳不動産会社の典型的な手口や契約時の注意点、さらに見抜く方法や実際の被害事例をわかりやすく解説します。記事の最後には「すぐに実践できるチェックリスト」も用意していますので、ぜひ参考にしてください。
悪徳不動産会社の典型的な手口

しつこい営業・居座り営業
自宅に訪問してきた営業マンが、何時間も帰らず契約を迫るケース。高齢者や一人暮らしの方は特にターゲットにされやすく、「怖くて断れなかった」という声もあります。
また「リースバック契約」など一部の契約はクーリングオフ対象外。サインしてしまえば後戻りできません。
不動産は営業ノルマがあることが多く、営業マンも無理してでも契約を取りたいという気持ちになってしまっているのです。
メリットしか言わない営業マン
「必ず高く売れます」「心配いりません」と良い情報だけを並べるのも典型的な手口です。何か心配事があり相談しても「大丈夫です」の一点張りなどメリットばかり伝えてきます。本来なら、デメリットやリスクも説明するのが不動産会社の義務。耳ざわりの良い説明をばかりをする会社・営業マンは要注意です。
相場からかけ離れた高額査定
本来8,000万円前後の物件に「1億円で売れる」と強気査定を提示して契約を獲得。しかし、実際には売れずに「そろそろ値下げしましょう」と迫られる流れです。たとえば、一括査定をした際に、他より飛びぬけて高い査定金額を提示した会社があるとします。それは、自分の会社を選んでほしいがために高い金額を提示している可能性が高いです。相場よりも高いと買い手は見つかりません。売れ残っている物件として価値が下がることで、結果として市場価格より安く売らざるを得なくなり、大きな損失を抱えることもあります。
囲い込み
「他社から買いたいという問い合わせをわざと止める」行為が囲い込みです。不動産会社は、売主や買主からの仲介手数料をいただいています。片方から手数料をもらうことを片手仲介、両方から手数料をもらうことを両手仲介といいます。この両手仲介をするために、他社が見つけてきた買主を断り、自分の会社で見つけてきた買主に買ってもらおうとするのです。もし物件を預けた不動産会社からしか内覧の申し込みがない場合は、囲い込みをされている可能性があります。
契約後・引き渡し後の放置
本来、契約後もトラブル対応や引き渡し後のフォローは仲介業者の役割。しかし、悪徳業者は「契約が終わったら知らん顔」。瑕疵や不具合が見つかっても対応してくれず、売主・買主が直接揉めるケースも少なくありません。
では、契約する際にどんなことに気を付ければいいのでしょうか。
契約・解約に関する注意点

媒介契約は「3か月」が基本
不動産媒介契約には、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3つの契約があります。そのうち専任媒介契約・専属専任媒介契約の有効期限は3か月と決まっています。あとから「悪徳な会社かもしれない」と気になった時のために、自動更新にはせず、自然に終了させるのが安全策です。手続きを進めていく中で、おかしいなと思ったら、自治体に相談したり、建築指導課に相談するのも手です。
途中解約のリスク
契約期間中に解約しようとすると、「違約金」を持ち出されることがあります。実際は違約金が発生しないケースも多いのですが、契約書にどのように記載されているかを確認しておくことが大切です。そういったトラブルが怖い方は、3か月間売らずに契約終了まで待ってから、解約するという方法もいいかもしれません。
アフターフォローの確認
契約前に必ず「引き渡し後の対応はどうなっていますか?」と確認しましょう。アフターフォローを曖昧にする会社は避けるのが賢明です。
契約に赴く前に悪徳業者を見抜くことができれば、いいですよね。次は悪徳業者の見抜き方をお伝えします。
悪徳業者を見抜く方法

国土交通省「ネガティブ情報検索サイト」
行政処分を受けた不動産業者を検索できる、国土交通省の公式サイトがあります。
①事業分野を選択で『不動産の売買・管理』を選択
②『宅地建物取引業者』を選択
③調べたい都道府県を選択
以上の手順で進めると、過去5年間に違反や処分歴がある会社を検索することができます。検索してヒットした業者は避けたほうが無難です。
厚生労働省「優ジロウ ホワイト・ブラック企業検索」
過酷なノルマや違法労働が横行する会社は、営業現場でも「無理やり契約を取らせる」体質になりがちです。厚生労働省が出している「優ジロウ ホワイト・ブラック企業検索」では、ブラック企業を検索することができます。
企業名が分かれば、『企業名で絞り込む』だけで大丈夫です。
分からない場合は、
①『全選択解除』を押す
②『ブラック企業』のみ選択
③『検索』を押す
で検索することができます。
優ジロウ ホワイト・ブラック企業検索 – SHEM 非営利一般社団法人 安全衛生優良企業マーク推進機構
Googleマップの口コミ
実際の顧客の声を確認するのも有効です。「営業がしつこい」「連絡が取れない」など具体的なコメントがあれば警戒ポイント。ただし、サクラレビューの可能性もあるため複数の口コミを見比べることが大事です。
実際にあった被害事例
事例1:高額査定に釣られたケース
相場8,000万円の物件を「1億円で売れる」と言われ契約。しかし半年経っても売れず、結局7,500万円で売却。最初から適正価格で売っていれば、もっと早く・高く売れたはずです。
事例2:囲い込みによる価格下落
他社から買主の問い合わせがあったのに、仲介業者が「すでに商談中です」と嘘をつき自社の顧客だけを優先。結果、買主候補が離れ、1年後に値下げして売却。
事例3:契約後の放置でトラブル
引き渡し後に雨漏りが発覚。買主からクレームが入りましたが、仲介業者は「契約は終わったので対応できません」と放置。結局、売主と買主が裁判に発展しました。
もし被害に遭いそうになったら
契約更新をしない
途中解約はリスクがあるため、まずは契約満了を待って更新しない方法を選びましょう。
複数の不動産会社に相談
セカンドオピニオンを取るだけで、業者の説明が正しいかどうかが分かります。特に相場価格や売却戦略は会社によって大きく違うため、複数比較が必須です。
消費者センターや弁護士に相談
不当な請求や違約金を求められた場合は、専門機関に相談することで解決できるケースも多いです。泣き寝入りする必要はありません。
まとめ(チェックリスト)
最後に、悪徳不動産会社を見抜くためのチェックリストをまとめます。
✅ 相場より極端に高額な査定を出してこないか
✅ デメリットを一切説明しない「片面営業」ではないか
✅ 契約後のフォロー体制がしっかりあるか
✅ 国交省・厚労省のデータベースで問題のある会社ではないか
✅ Google口コミに不自然な書き込みがないか
これらを確認するだけでも、悪徳業者に引っかかるリスクは大幅に減ります。
不動産の売却や購入は、多くの人にとって人生で数回しかない大きな取引です。だからこそ「信頼できる不動産会社」を選ぶことが何よりも大切です。
「この会社、少し怪しいかも」と思ったら、迷わず他社に相談してください。大切な資産を守るためには、早めの行動と情報収集が最大の防御になります。
