不動産売却コラムCOLUMN

「境界問題」土地の売却時に起こるトラブルとは?

土地の売却時には境界確認が必須です。ただ隣人とトラブルになることもあり、境界線が確定できず、売却できない人もいます。トラブルにならないように日頃から隣人関係は良好にしておきたい一方で、事前に境界確認をしておくことで備えるのも1つです。

もし売ろうとしても、土地の境界線が不明確だと売却できなかったり、買いたたかれたり…、といったリスクを抱えることになります。そんな羽目に陥るのはぜひとも避けたいところです。

「境界問題」は公簿と実測に差があるため発生

「隣の土地との境界線があいまいではっきりしない」こうした「境界問題」を抱える土地は想像以上に多いです。
ずっと自分の土地だと思っていたのに、ある日突然、隣家から「うちの土地なので返してほしい」と言われることもあれば、逆に「隣家の物置が自分の庭に設置されていた」なんてこともあります。

なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?

不動産取引には、登記記録に記載された土地面積に基づく「公簿取引」と、実測による土地面積に基づく「実測取引」の2種類があります。現在は実測取引が一般的で、隣地との境界線を明確にするのは売主の責任だと考えられています。また、取引にあたっては隣地との境界確認書の書面で取り交わしを行うケースがほとんどです。

数十年前の土地取引となると、公簿取引の可能性が高くなり、測量技術も今ほど発達しておらず、アバウトな計測状況のまま取引されていることも多いでしょう。また、税金逃れのため意図的に数値を偽っていたりと、さまざまなようです。

結果として、公簿上の土地面積と実測したものとの間に誤差が生じてしまっているケースが少なくないのです。

トラブル①「隣家との塀」が正しいとは限らない

隣接地とはブロック塀で仕切られているので、これが境界なのではないかと思いますがそれは間違いです。
塀と隣地境界線は別のもので、塀があるからそこが隣地境界線になるというルールや定義はありません。
ブロック塀によって示される境界線には、実は4つのパターンがあります。

(1)相手方の敷地内からギリギリのところに塀が設置されている場合、自分の土地に近いほうの塀の側面が境界線となる
(2)自分側にブロック塀を設置した場合は、相手の土地に接する面、つまりこちらから見てブロック塀の外側が境界線となる
(3)ブロック塀のちょうど真ん中が境界線となる
(4)境界とは違う場所に塀を建てたケースも稀に存在する

家との境目に塀があれば大丈夫だろうと安心している人は多いですが、「境界杭」のような目印がないと上記4つのうちどれに当てはまるかわからず、土地トラブルを招く可能性があります。
したがって、ブロック塀があっても、これが境界を示しているとは限らず、別の方法で、きちんと隣地境界線を確認することが必要となります。

居住中に境界確定測量を行ったり、思い切って話しあったりするなど、お隣さん同士でできることを試してみてはいかがでしょうか。

トラブル②隣が空き地で所有者不明のケース

「隣地はずっと空き地になっていて、所有者が誰なのかわからない」というケースもあります。
土地家屋調査士は、隣接する土地の登記記録から所有者の現住所地を調べることができますが、現行の制度では所有者の方が登記記録にある住所から、他の土地に移ってから5年以上経つと、役所には書類保管の義務がなくなります。
つまり、引っ越しから5年経過すると、所有者の現住所がわからなくなってしまう可能性もあり、問題視されています。

トラブル③所有者が亡くなっている場合

立会いをお願いしようと、隣地の所有者を調べたところ、すでに亡くなっていたという例もあります。所有者本人が亡くなっている場合は、相続人に立会い確認をお願いすることになります。
遺産分割が終わっていない場合は、原則として法定相続人全員の立会い確認が必要となります。

ただし、相続人が数十人いるなど、全員に立ち会ってもらうのが難しい場合には、代表者が確認し、他の相続人の方々に説明してもらう形をとることが多いです。
とはいえ、確認書には法定相続人全員の署名と押印が必要なため、手続きが煩雑になるのを覚悟しなければなりません。

では、相続せずに、放置されるとどうなるのか?
土地の所有者が亡くなると法律上、その土地はいったん、配偶者や子どもを始めとする法定相続人の共同所有となります。相続手続きをしない状態が何代にも渡ると、相続人の数は何十人、何百人と膨れ上がっていき、こうなると、もう手がつけられません。

その結果、「所有者がわからない」状態に陥っている土地は九州の面積に匹敵するほどの広さにまで達しているそうです。

トラブル④マンションなら、住民全員の同意必要

隣の土地にマンションが建っている場合の境界確認もあります。
大規模なマンションであれば、多くの場合は管理組合法人があり、理事長に権限が委ねられているため、理事長による立会い、署名押印によって手続きを進められますが、小規模や中規模のマンションではこうした仕組みがないことがほとんどです。まずは境界特定測量以前に、住民の理解や協力を得なくてはなりません。
隣人がひとりであっても、これまで仲が悪かったり、ご近所トラブルがあったりすれば、すんなり「協力する」とは言ってくれないこともあるでしょう。
それが何十人もの合意をとりつけなければならないとなると、気が遠くなる作業です。

トラブル⑤道路でも、境界問題が発生

相続した土地が一般道路に隣接している場合はどうでしょうか。道路を管理しているのは市区町村なので、境界は当然ながらはっきりしていると思いがちですが、実は油断禁物です。
例えば、「地積測量図が古すぎて現在の状況に即してない」というケースもあります。

市区町村が境界確定測量を行った際の測量技術が今に比べると不十分だったこともあれば、当時の持ち主が協力を拒み、正しく測量されないまま、何十年もの月日が流れている可能性もあります。
結局、隣接するのが道路であったとしても、所有地との境界が曖昧な場合には、境界を確認した上で、道路の境界確認申請を行う必要があります。

「境界問題」その他のトラブルの例

・家の屋根が敷地境界を越えている、越えていないというトラブル
・隣地との間に置いた物や構造物が敷地境界を越えている、越えていないというトラブル
・新たに造ろうとする塀やフェンスの設置位置をめぐる言い争い、認識の食い違い
・隣地との間にある既存の塀やフェンスの帰属先があいまいで、維持・管理責任の押し付け合い
・隣地との間にある既存の擁壁をめぐる補修費用などの押し付け合い
・境界付近における雨水の処理や、落ち葉などの清掃管理をめぐる争い
・道路との境界が不明確なことにより生じる、建築時における役所との見解の相違
・水路(公有地)との境界が不明確なことによる災害時の復旧をめぐる争い

「境界問題」トラブルの原因!

これらのトラブルに共通する原因としては、境界そのものがあいまいになっていることが挙げられます。
境界が明確でないと結果として、当事者それぞれが自分に有利な境界を主張して争いになってしまうということです。
ではなぜ、境界があいまいになってしまうのでしょうか。実は、よくあるのは、災害ではなく、人為的なミスによるものです。例えば、塀を作るときに、施工業者が境界標を一時的にずらしてしまい、そのまま元の位置に戻さないといったこともあります。

まとめ

お隣さんである以上は、一度トラブルになってしまうと、それまで良好だった関係も壊れてしまいますし、生活していく上でもストレスになるおそれがあります。

どこからどこまでが自分の土地なのか分からないという所有権の問題を抱えており、相手が頑なに立会いを拒否するなど、非協力的な態度を貫いている場合は、境界トラブルに巻き込まれる可能性が高いです。
費用や時間がかかりますが、裁判に踏み切らざるを得ないこともあるだけに、売却を検討している人は早めに「境界」について確認しておくのがいいですね。

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